●オフライン編集とは「仮編集」のことです。まだ完成していない、確定前の編集データです。通常、画質も低い状態です。
●オンライン編集とは最終的に使用(放送や配信等)するための編集のことです。最終使用目的のための編集ですので、画質も音質も良い状態です。
コンピューターでの編集が通常化した今、編集のスタイルは変わってきて、オフライン編集というものは無くなってきています。しかし、現在でも「まだオフラインの状態です」と言った場合には、「まだ仮の編集で、映像は完成していません」という意味になります。世の中に公開する「完パケ」の状態ではないということです。
かつて、映像編集がアナログであった時代、オフライン編集は本当に画質がきたない状態でした。当時はベーカム、デジベなどで撮影をすると、まずはタイムコードが入ったVHSコピーを作成しました。そのVHSから受けとなるVHSへと使いたいシーンをコピーしていく形で仮編集をしました。何度も仮編集をしていると映像やタイムコードが見えづらくなるほど画質が落ちました。最後に出来上がったVHSテープからタイムコードを手書きでシートに書き写し、本当の編集、つまりオンライン編集を始めたのです。「オンライン」つまり、本当にライン(ケーブルの線で編集機がつながっている)状態で仕上げの編集を始めたのです。アナログの時代は、このようなリニア編集が主流でした。
ですので本編集(オンライン編集)も大変でした。手書きでタイムコードが書かれたシートを見ながらポスプロの編集オペーレーターが映像をつないでいきます。撮影したテープから、受けテープ(白完)に順番に映像をコピー(編集)をしていくのです。ですから今のように「やっぱり途中にあのシーンを入れよう!」などはできません。途中にシーンを入れる場合には、そのシーンよりも後のシーンは、全て再度入れ直さなくてはなりません。今のようにデータでの編集であれば途中にデータを入れ込めますが、受けているのがテープですので、途中のシーンの尺を長くするのは出来ないわけです。現在では最初に撮影した高画質のデータを全てコンピューターやハードディスクに入れて編集をします。それでも、仮編集(オフライン編集)という言葉はよく使います。仮編(オフライン)の映像は関係者への確認などに良く使われています。仮編データを書き出すときには、あえて転送レートを落として低画質にしたり、タイムコードを映像に入れたり、確認しやすく、かつ権利的に問題が起きにくい形へとするのが一般的です。
一般的なオフライン編集(仮編)の流れは下記になります。
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撮影した映像を取り込み
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仮編集(オフライン編集)
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関係者と打ち合わせ、修正点の確認、必要に応じて再度仮編集
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本編集(オンライン編集)
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音の追加、加工、調整
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完成