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逆相(音)

●逆相(音)とは、音の波形があるべき形と逆になっている事を言います。音とは空気の振動ですが、収録やミックス時のトラブルにより、音の波形が反対向きになってしまうことがあります。それが逆相です。音がシャカシャカ聞こえる際、この逆相がトラブルの要因であることがあります。

ステレオ音声にて、左右のどちらかの音が逆(逆相)になっていると、一方の音がもう一方の音と混ざります。正反対の波形が混ざることになりますので、理論上、音はお互いを打ち消し、音が消える事になります。実際には、きれいに無音になるのではなくシャカシャカの音になるわけです。海外から映画やドラマの音声がテープで届いていた時代、音がシャカシャカしていると逆相トラブルの可能性がありました。しかし、このトラブルを有効利用する動きも生まれました。音を反転させて、正しい波形とミックスすれば音が消せるという理論です。例えば、海外のテレビ番組を日本で放送したいが、背景に流れている曲の権利が取れないから放送できないという場合。その曲を手に入れて、逆相の形にしてミックスをすれば、番組の背景で流れている曲だけを消せるのです。番組内でトークしている声だけが残ることになります。実際にこの特殊な技術は開発されて業界で使われています。同じ原理で、音楽の中でジャリというノイズが入っていた場合も、ジャリというノイズ音を逆相にしてミックスすれば、音楽はそのままでノイズだけが消える事になります。一般に売られているイアフォンでも、このノイズリダクション技術は広く活躍しています。イアフォンの外で聞こえている雑音を逆相にしてぶつければ無音になります。つまりシーンとした環境で曲を聞いていることになるのです。逆相は位相ズレという呼び方がされることもあります。

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