アカデミー賞

●アカデミー賞とは、アメリカ合衆国にて、映画の製作関係者を表彰する式典です。The Academy of Motion Picture Arts and Sciences （AMPAS）のメンバーによる無記名投票にて各部門の優秀者が選出され、オスカー（The Oscars）が授与されます。アメリカ合衆国で、特に有名な４つの文化的な賞（映画のアカデミー賞／テレビのエミー賞／演劇のトニー賞／音楽のグラミー賞）のうちの１つです。

アカデミー賞は１９２９年にアメリカ映画を促進するために始まりました。選考対象作品になるためには、１年以内にロサンゼルス地区で上映される必要があります。そのため配信用に映画が制作された場合も劇場で一定期間公開する必要があります。アカデミー賞を受賞すると、その作品は世界的に有名になります。特に作品賞を受賞した場合には世界での興行成績が大きく伸びます。賞金は無いアカデミー賞ですが、その影響力の大きさから毎年、世界中で注目されています。
様々な側面において注目されてきた賞と言えます。その一つが投票です。米紙ロサンゼルス・タイムズの２０１２年の記事では、アカデミー賞に投票できる会員約７０００人の内、９４％近くが（ヨーロッパ系アメリカ人＋ヨーロッパ人）で、７７％が男性だったとしています。アフリカ系アメリカ人の会員は約２％に過ぎなかった。ラテン系アメリカ人の会員は２％以下だったそうです。しかし、２０２０年になるとアカデミー賞は多くの問題を解決したと発表しました。会員は９４００人以上に増えて、男性率は６６％まで下がりました。（ヨーロッパ系アメリカ人＋ヨーロッパ人）の比率も全体の８１％までに下がったとしています。尚、最初にアカデミー賞を受賞したアフリカ系アメリカ人は、女優のハティ・マクダニエルさんで『風と共に去りぬ』（1939）にて、スカーレット・オハラのメイド役を演じました。式典ではアカデミー助演女優賞のオスカーを涙ながらに受け取りました。記憶に新しい所では２０２２年にはウイル・スミスさんが助演男優賞を受賞しています。
アカデミー作品賞は、２００８年までは毎年５作品がノミネートされ、そこから１作品が受賞するという形式でした。ノミネートされた５作品の中には誰もが知っているエンタテインメント作品も多く含まれています。１９７５年『ジョーズ』１９７７年『スター・ウォーズ』１９８１年『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』１９８２年『E.T.』等です。
なお、現在の日本アカデミー賞も正式な承諾をアメリカのアカデミーから得ている賞となります。イギリスにも　British Academy Film Awards、英国アカデミー賞というのがあります。