● 6月2日追記
参加者の人数にやや余裕があるため、参加受付の締切を6月13日(月)まで延長します。前半パートの投稿締切など、その他のスケジュールはそのままです。
字幕翻訳を動画で学べる「vShareR SUB」では新しい添削企画を実施します。現在、参加者を募集しています。
現役の映像翻訳者があなたの字幕を添削!
vShareR SUBには字幕・動画の投稿機能があります。今回の添削企画では、投稿期間内にご投稿いただいた字幕を講師がチェックし、動画のコメント欄に講評を投稿します。
課題は約8分の短編映画です。前半・後半に分けて取り組んでいただきます。講座終了後には総評としてオンラインイベントを開催予定です(有料アーカイブ配信も予定)。イベントは有料ですが、講座参加者は無料でご参加いただけます(アーカイブ配信も無料)。
【スケジュール】5月31日(火) 参加受付締切 → 6月13日(月)まで延長
6月01日(水) 前半パートの字幕投稿の受付開始
6月13日(月) 投稿締切
6月20日(月) 講師が添削コメントを投稿 / 後半パートの字幕投稿の受付開始
6月29日(水) 投稿締切
7月11日(月) 講師が添削コメントを投稿
総評オンラインイベントは7月開催の予定です
【参加費】
5500円(税込)
【参加方法】
vShareR SUBに会員登録後、vShareR SUB内の受付ページにて参加費をお支払いください。参加費とは別にサイト会費として月額800円(税別)が必要ですが、現在キャンペーン中につき、登録した月と翌月は無料です。
【課題作品】
『BEING THOMAS』
あらすじ / 強盗に入った青年は、そこに住む老人に息子として歓迎されてしまう……。
vShareR SUBでは字幕翻訳の基礎も学べる
字幕翻訳には字数制限などのルールや、「ハコ書き」や「スポッティング」など特有の作業があります。vShareR SUBでは、字幕翻訳に必要な基礎知識を学習できる動画「プロを目指すなら知っておきたい字幕翻訳の基礎知識」も配信しています。
講師インタビュー
今回、添削講座で講師を担当していただくのは映像翻訳者の堀池明さん。堀池さんは映像翻訳者として字幕・吹替の翻訳をこなす傍ら、立教大学の異文化コミュニケーション学部で「翻訳・通訳と現代社会」という講義を受け持っています。添削講座の開始にあたり、これまでのご自身の翻訳歴や大学での講義についてお話を伺いました。
【プロフィール】
堀池明(ほりいけ・あきら)
字幕吹替翻訳者。翻訳学校を修了して英日の字幕翻訳を開始し、次第に吹替翻訳も手がけるようになる。翻訳歴は十数年。また大学の担当授業でも翻訳通訳リテラシー教育等に努めている。代表作に『セントラル・インテリジェンス』(字幕)、『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(吹替)など。米国セントラル・アーカンソー大学卒業、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科修士課程修了。オスカー翻訳事務所代表。
──映像翻訳者になるまでの道のりを教えてください。
最初にこの仕事に就きたいと思ったのは中学生の頃です。アメリカの大学に進学し、卒業して帰国すると同時に働きながら映像翻訳の学校に通いました。翻訳学校を修了してトライアルに無事に合格したのですが、すぐに翻訳一本に絞るのは厳しかったので、3年くらいは会社員を続けながら翻訳の仕事をしていました。
──トライアルに受かってから、ご自身のスキルを磨くためにどんなことをしましたか?
基本的には頂いた仕事、つまり実践で数をこなすことで一番鍛えられたと思います。ただ実践でやる以外にももう少し勉強したいという思いがあったので、翻訳を初めて5年くらいたったころに改めていくつか学校に通いました。ひとつは立教大学の大学院に通ったことと、もうひとつはフェロー・アカデミーでアンゼたかし先生のゼミに入ったことです。
──その中でどんなことが役に立ちましたか?
アンゼ先生のゼミでは、自分の翻訳についていろんな人から意見をもらえることがとても参考になりました。グループディスカッションがあるんですが、そこでは全員対等な立場で翻訳について話ができるのでとても有意義だったと思います。大学院では翻訳について長年研究を重ねてきた先生方の教えを受けることで、翻訳というものを頭の中で整理して理解できるようになりました。
──今現在、大学の講義ではどんなことをされているのですか?
大学院を卒業して修士号を取得した後、大学で教える機会を頂きました。武田珂代子教授と僕の2人で「翻訳・通訳と現代社会」という講義を担当しています。毎回、各種翻訳通訳業界からゲストスピーカーを招いて専門分野について話をして頂き、それを通して現代社会全体を考えるという内容です。翻訳の方法そのものというよりは、世の中にある翻訳の在り方や使い方を学ぶ、というイメージでしょうか。ゲストは医療通訳に詳しい方だったり出版翻訳業界の方だったりさまざまですが、その中で視聴覚翻訳と呼ばれる字幕翻訳・吹替翻訳の回は僕自身がスピーカーとして登壇しています。
──字幕翻訳の魅力って何だと思いますか?
シンプルにA言語をB言語に変換する面白さが基本だと思います。ただ特に字幕翻訳は文字数だったり表記だったり様々な制限があり、その制限があるからこそ、うまく表現できたときの喜びが大きいのではないかと思います。字幕翻訳ってvulnerable translation(批判されやすい翻訳/弱い立場の翻訳)と言われることがあるんですが、翻訳した日本語が常にオリジナル言語と同時に流されますよね。だから間違っていたらばれるし、どんな翻訳をしてるのかもすぐに分かってしまう。こういう翻訳って意外と少なくて、特殊で難しい翻訳だなと思います。ただその分うまくいくと本当に楽しいですし、取り組む意義が感じられるんだと思います。
──堀池さん自身も添削講座のようなものを受けられたことはありますか?
添削講座ではないですが、仕事のなかで制作会社の方々からこれまでに数えきれないチェックを頂いてきています(笑)。自分なりに考え抜いた字幕に修正が入るのはなかなかキツイものですし、いまだに少し戸惑う時もあります。ただ制作の方はもちろん僕の翻訳を否定しているのではなく、字幕をより良くしようと指摘してくださってるので、そこはちゃんと受け止めるようにしています。やはり人の意見を聞いてそこからまた考えて練り直して……ということの繰り返しでしか得られないものがあると思います。
──堀池さん自身が今回のような添削講座に参加するとしたら、どのようなことを意識して取り組みますか?
まずは貪欲に吸収しようと思って取り組むこと。そして受けた指摘をできる限り素直に受け止めつつも、うのみにするだけではなく自分でもう一度ちゃんと考えることです。改めて考えて自分なりに消化していくことが、次のステップに繋がると思います。
──最後に、添削講座の参加者へメッセージを。
お忙しいなか今回参加する方も多いかと思います。参加する限りは多くを学んでもらえたらと思います。どうぞ欲張ってください。そしてどうぞ楽しんでください。楽しみながら学べるのも映像翻訳の良さです。僕も楽しませてもらいながら、皆さんと一緒に学びたいと思います。
添削企画への参加は、まずはvShareR SUBに登録! → vShareR SUB
vShareR SUBでは過去に、堀池さんにオンラインイベント「女性言葉、どう訳してる?」に司会兼パネリストとしてご参加いただき、イベントレポートも作成していただきました。今回の課題作品には女性は登場しませんが、字幕における女性言葉について第一線で活躍している翻訳者や視聴者がどう考えているか知ることのできる貴重な記事です。ご興味のある方はぜひ!