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DVDについて / DVD製造の流れ

●DVDは、21世紀初頭に爆発的に広まった映像や音声が入れられるディスクです。その製造の流れを簡単にご説明します。

<DVDを製造する基本的な工程>
🔹エンコードをします。テープなどからDVD用の映像、音声データを適正なファイル形式(MPEG-2等)に変換します。

🔹オーサリングをして、ディスクとして機能するように組み上げます。選択してボタンを押すと副音声が聞けたり、次のチャプターにスキップしたり、プログラミングしていくような形です。パナソニックやシナリストなどのシステムを使います。

🔹DLT、DVD-R等のメディアに完成したデータを落とし込んでプレス工場に送ります。

🔹プレス工場では受け取った完成データを元に金型を作成します。自宅のコンピューターで焼くDVDーRのように一枚ずつDVDを焼くわけではありません。商品となるDVDは金型を最初につくり、そこからディスクを生産をします。

🔹大量生産の前にテスト盤のDVD(プルーフ版)を少量プレスします。通常、印刷がされていない表裏が銀色の状態です。関係者は諸々、問題がないかの最終確認をします。

🔹大量生産されたディスクは、印刷がされ、ケースに入れられた後、発売日に向けて倉庫などへと運搬されることになります。

<DVDが商品となるまでにはその他、たくさんの作業が含まれています。また様々な選択肢があります>
▶︎DVDのディスクを量産することをプレスすると言います。プレスできる工場は国内にも海外にもあります。海外プレスの方が一般的に費用は安いですが製造に時間がかかります。金型をつくるのにも当然、費用と時間が必要になります。プルーフ版を見て、少しでも何か内容を変更したいと思った場合には、金型を製造しなおす必要があります。
▶︎DVDの表面には写真やタイトルが印刷されています。これをレーベルと言います。印刷されている小さな権利関係の文字も含めて、誤字がないか、色合いは良いかなどの確認が何度もされます。レーベルは2色だけで印刷するのか、お金をかけてフルカラーで印刷するのか、販売計画等によって決められます。
▶︎DVDを入れるケースも様々な種類があり、製造費も異なります。一般的なトールケースというものから、硬い透明なプラスチックで出来ているジュエリーケースなどもあります。
▶︎最後にアセンブリーという作業が行われます。その名の通り、ディスク、チラシ、ケースの表紙、などを、全てまとめてきれいにケースに入れて、包装する作業です。お店で並んでいる状態にするパッケージングの作業です。お店で見るDVDやBlue-rayは通常、薄いビニールに包まれていますが、それをキャラメル包装といいます。キャラメルのように赤いところを引っ張るとビニールが剥がれるようになっています。
▶︎DVDにはデザイナーも深く関わります。レーベル、ジャケット等は、デザイナーによって作成されます。通常、アドビAIPSDを使って制作します。また、DVDのメニュー画面もデザイナーによって作成させれます。止まっているメニュー画面であればPSDなどを使い、動いているメニュー画面であればAEを使って作成します。

DVDが、配信放送や地上波放送とは全く異なる点は、形として残るということです。放送は基本的に、その時に見てもらう前提ですので、仮に何か間違えていた場合には、視聴者に謝罪をして、再放送があるのであれば、それまでに修正することになります。しかし、DVDは商品として形にしているので、変更の内容によっては、その部分が変更されたDVDに交換する必要が出てきます。DVDは大変多くの工程を経て作られるので、編集だけすれば修正できるものではありません。金型をつくったり、プレスをしたり、ディスクに印刷もしなくてはなりません。大変なコストと時間がかかります。そこが大きな違いなのです。
また、つい忘れがちですがDVDの解像度はハイビジョン映像ではありません。それでも、取り扱いが簡単であり、再生デッキやテレビの機能が向上していることもあり、Blue-rayよりもDVDを好んでレンタルする人も多いと思います。

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