●マスターとは、大元になる映像という意味です。「放送用マスター」と言えば最終的に放送に仕上げた完パケを意味します。「DVDマスター」と言えば、DVDにするための最終映像ということになります。近年、最終完パケがテープではなくデータであるケースも増えてきました。しかし、長年、マスターとはマスターテープの略でしたので、MOVやMP4のデータ完パケは「マスター」という言い方はしない場合があります。基本的に完成した母体となる映画や映像がマスターと呼ばれます。但し、大元の映像はマスター、音はマザーという呼び方がされることもあります。
テープの種類に関わらず、完成している映像が入っているテープをマスターと呼びます。「白マスター」と言えば白完のことを意味します。またブルーレイなどで「デジタル・リマスター版」などと良く聞きます。これは「リ(再度)マスター」ですので、デジタル技術を使い(新たにテレシネ、ノイズ消し、スプライス消し)等を行った新マスターを使用したブルーレイということになります。
なお、マスターという言葉は、映像制作では別の意味でもよく登場します。「マスターショット」と言えば、撮影の際に全体の人々の動きを撮影した映像です。つまり、不可欠で重要な映像のため、マスターショットと呼ばれています。