●フォーマットとは、映像制作の場合、放送にかけられる状態の完パケづくりをする作業を指します。テレビ局で海外ドラマの放送が決まった場合、そのドラマを放送できるフォーマット(状態)にする必要性が生まれます。それがテレビフォーマット作業、略して「フォーマット」となります。
例えばアメリカの人気家族ドラマシリーズの放送が日本のテレビ局で決まったとします。その場合、下記の作業が必要となります。それらを全て行い、テレビ局が放送できるような形にすること、それがフォーマット作業です。
🔹日本の放送時間の総計が45分15秒であれば、ピッタリとその尺になるように多少シーンをカットしたり、逆に尺が足りなければCMの後に同じシーンを繰り返したりして、ぴったり45分15秒になるようにします。
🔹CMが途中で4回入るのであれば、どこでCMに入るかを決めて、CMに入る時には音を絞ったり、映像に捨てカットをつけたりします。
🔹字幕放送であれば字幕を焼きこみます。吹替版放送であれば日本語版の音声を入れます。
🔹最後に必要であれば次回予告を入れます。
🔹最後に必要であれば日本語版の制作者、関係会社の名前などを焼き込みます。
🔹全体にラウドネスをかけて、音声レベルを放送できるレベルにします。
🔹ハーディングの検査と調整を行い、映像が問題なく放送できるようにします。
その他、各テレビ局、放送時間帯などにより、必要となる内容が異なるため、それらを調整して、放送できる形にすること、それがフォーマット作業です。
ドラマシリーズの放送が決まった際に、それが初めて日本に来た作品であれば、翻訳して字幕を制作したり、仮に日本語吹替音声が存在していなければ、放送までに日本語吹替音声を収録したり、かなり準備に時間がかかる場合もあります。もちろん、ドラマだけではなく、映画、アニメ、等も、納品するテレビ局の仕様にあわせたフォーマットが必要となります。納品する形態も時代やテレビ局により変わってきています。かつてはドラマであればHDカムテープ、映画であればHDCAM-SRといったようにテープが主流でしたが、近年ではXDCAMのようなディスクであったり、指定の動画データにしてハードディスクで納品したりと納品するその形態も変わってきています。