●ヒキの撮影とは、被写体全体が見れるように広く撮影するという意味です。一般的に少なくとも主人公の全身が映っている状況になります。
●ヨリは反対にクローズアップなど、被写体が大きく見えるように撮影することを言います。人物の場合、ヨリというと、バストショット、顔のクローズアップを意味します。
映画やドラマの場合、ヒキの映像があれば、そこで何が起きているかを視聴者は理解できます。英語では「マスターショット」と言います。マスターショットがあって、そこにヨリの映像をインサートしていくというのが基本的なドラマの撮影・編集セオリーとなります。カメラマンが「ヒキを撮影しよう」と言った場合に数字的に決まった定義はありません。「全体を広く撮影しよう」「今の撮影よりも全体を入れて撮影しよう」などという意図で使われます。ヨリも同様で数字的な定義はありません。ヨリと言った時に、画面いっぱいに顔がある場合もあれば、バストショットのように上半身を撮影しようという意図の場合もあります。「ヨリ」「ヒキ」で撮影するという表現は、人だけではなく全ての被写体に使われます。只、花を撮影するときに「バストショットでいこう」という表現は通常使いません。