●ダブりゴマとは、映像においてダブったように見えるコマです。映画は1秒を24コマの連続写真で作っています。テレビは1秒を約30コマ(フレーム)の連続写真で作っています。つまり、映画作品をテレビで放送する時には、24コマ→30コマへと増やす必要があります。24コマのどれか6枚を、そのままコピーして増やすと、同じ写真(コマ)が1秒に6回も登場することになります。映像はカクカクして見えるわけです。そうならないように、丁度、前のコマと次のコマの丁度中間のようなニジんだコマ(ダブりゴマ)をまぎれ込ませます。それがダブりゴマです。そうすると、人間の目にはカクカクして見えないのです。
映画(24コマ)を、無理やりテレビ用に(30コマ)にした場合、ダブったようなコマ(ダブりゴマ)が増えますが、そうなると映像のクオリティは下がります。ダブりゴマは無いに越したことはないのです。そのため、テレビ放送に関係のないもの、つまり映像配信やブルーレイなどでは24コマの映像をそのまま見せるように工夫しています。
また、ヨーロッパのように映像がPALシステムで制作された場合は1秒が25コマ(フレーム)で作られています。それらの作品を日本でテレビ放送するためには、1秒あたり5コマのダブりゴマを作り出し、30コマにする必要があります。ダブりゴマを作り出すのは機械やソフトが自動で行いますが、通常、プロの技術者が設定を確認しながら行います。