●シンク入れとは、編集をする前に新品のテープに(同期信号/タイムコード)の情報を入れることを言います。ポスプロでの編集作業前には、通常、シンクを入れてから編集を行います。
ビデオテープは新品の状態では何も入っていない単なるマグネットのテープ状態です。家庭用のVHSを番組録画に使うのであれば、録画しながらタイムコード、同期信号を入れていけば良いわけです。家庭用のビデオは厳密な使い方はしません。後で早送りしたり、巻き戻したりして、大体どのあたりか分かれば良い訳です。インサート映像を入れることもありませんし、次の映像を、丁度30分0秒0フレームのところから入れようということもありません。しかしプロ用のビデオテープの場合には、最初にレールを引いておく必要があります。どういったレールを引くかも決めておく必要があります。完成させる映像はフレームレートが23.98pなのか59.94iなのか?/ドロップなのかノンドロップなのか?/はじまりのタイムコードは0分0秒始まりなのか1時間丁度のところから始まるのか?/ そういった仕様を決めて、先にシンクを入れておきます。シンクがないと、決まったタイムから希望の映像をきっちりと正確に入れることができないからです。
仮に、完全に別のテープからコピーをするだけであれば、家庭用のビデオのように、映像とシンクを同時に入れることもできます。それをアセンブル編集と言います。しかし、事前にレールを引いていないところに、レールを引きながら電車が走るような形になるので、エラー(問題)が起きるリスクは高くなります。
今では少なくなったビデオテープですが、B.B(ブラックバースト)という映像信号(黒)とタイムコードを入れてから作業をするのが通常です。