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ひとつの英文が七変化!? 強調する単語で英文の意味は変わる!【I didn’t say we should kill him.】

* この記事はvShareR SUBで公開中の動画をもとに生成AIを活用し作成しました

英語のスクリプトを読んで「文章の意味は完璧に理解できた!」と思っていませんか? しかし、いざ映像を観てみると、登場人物の口調や「音の強調」によって、文字づらとは全く違う意図が隠されていることがあります。

今回は、株式会社クープのネイティブチェッカー・サラさんに、同じセリフでも強調する箇所によって意味が変わる「Emphasis(強調)」の仕組みを解説していただきました。

【出演者】(収録当時)

・サラ
株式会社クープ 字幕制作グループ・多言語チーム所属。アメリカ合衆国フロリダ出身。

目次

英語における強調

こんにちは、クープのサラです! 今回は「英語における強調」をテーマに、ワンポイントレッスンをお届けします。

以前、vShareR SUB会員から「英語の強調によって、文の意味はどのように変わるのですか?」という質問をいただきました。結論からいうと、強調の位置によって意味は確実に変わります。それだけでなく、言葉として直接発していない「隠された含み・裏の意味」を表現することさえあるのです。

強く発音される単語(強調された単語)には、耳で聞かないと拾えない重要なニュアンスが隠されているため、文字情報だけに頼っていると見落としてしまうことがあります。

そこで今回は、インターネット上で「強調の位置で意味が変わる!」と話題になった、ある有名な例文をご紹介します。少し物騒な例文なのですが(ごめんなさい!)、構造が分かりやすいので海外のサイト(designer lessonsなど)でもよく引用されているものです。

まずは、一切どこも強調せずにフラットに読んだベースの文章がこちらです。

I didn’t say we should kill him. / 私は彼を殺すべきだとは言わなかった。

この文章には7つの単語がありますよね。つまり、強調する場所によって7通りのまったく異なるストーリーが生まれるのです。ここからは、それぞれのバージョンと、そこに隠された「言外の意味」をひとつずつ紐解いていきましょう!

強調する箇所でセリフの意味はここまで変わる

①「I」を強調した場合

I didn’t say we should kill him.
言外の意味:それを言ったのは、私じゃない(他の誰かだ)

「私のせいじゃない」「私じゃないよ!」という部分を強烈にアピールしています。

②「didn’t」を強調した場合

I didn’t say we should kill him.
言外の意味:言わなかった(絶対に言っていない!)

全体の意味そのものは変わりませんが、「言っていない」という否定の事実を強調するニュアンスになります。

③「say」を強調した場合

I didn’t say we should kill him.
言外の意味:口には出していない(でも、そう匂わせたかもしれない)

「言葉の揚げ足を取らないでよ」と反論しているイメージです。はっきりと口には出していないけれど、表情でほのめかしたり、メモに書いたり、囁いたりした可能性を否定していません。

④「we」を強調した場合

I didn’t say we should kill him.
言外の意味:私たちが殺すんじゃなくて、他の誰かがやればいい

「彼を殺すべきだ」という点には同意しているかもしれませんが、「実行するのは私たちじゃないでしょ?(たとえば、あなたがやれば?)」というニュアンスが隠れています。

⑤「should」を強調した場合

I didn’t say we should kill him.
言外の意味:(殺すことが可能だとか、死んだ方がマシだとは言ったけど)本当に殺すべきだとまでは言っていない

「殺したほうがいいかもね」なんて噂話はしたけれど、「実際に実行に移すべきだなんて、そこまでは言っていないよ!」と言い訳をしているニュアンスです。前後の大きな文脈によって細かい解釈が変わる部分でもあります。

⑥「kill」を強調した場合

I didn’t say we should kill him.
言外の意味:殺すんじゃなくて、別のことをすべきだと言ったんだ

たとえば、英語には「take out」という便利なフレーズがあります。「誰かをディナーに連れ出す」という意味もあれば、スラングで「誰かを消す(殺す)」という意味もあります。こうした言葉の勘違いが起きたときに、「殺すんじゃなくて、別の意味だよ!」と否定するようなニュアンスです。

⑦「him」を強調した場合

I didn’t say we should kill him.
言外の意味:彼ではなく、別のターゲットを殺すべきだと言ったんだ

「彼」が強調されることで、「殺す相手が間違っている(別の誰かを殺すべきだった)」、あるいは「手違いで別の人が殺されてしまった」という恐ろしい裏事情が浮かび上がってきます。

字幕翻訳への応用:言外の「対比」を日本語にどう落とし込むか

これらのパターンの多くに共通しているのは、「強調された言葉が、それとは逆の要素(AではなくBだ)を間接的に暗示している」という点です。

これを実際の映像翻訳に活かす場合、スクリプトの直訳「私は彼を殺すべきだとは言わなかった」のまま字幕に当てはめてしまうと、役者が声で表現している「裏のニュアンス」が日本の視聴者に伝わらなくなってしまいます。

もし1秒4文字の字数制限のなかでこのニュアンスを的確に伝えるなら、字幕の「リライト」や「キャラクター付け」に工夫が必要です。

  • 「I」が強調されているなら: 提案したのは俺じゃない
  • 「we」が強調されているなら: 俺たちの手で殺すんじゃない
  • 「kill」が強調されているなら: 殺せとは言ってない

このように、セリフ自体は短くても、強調されている部分に込められた「対比(隠されたターゲットや行動)」を日本語の語尾や表現に少し滲ませることで、一気にセリフのリアリティが増し、ストーリーの背景がわかりやすくなります。

役者の「声」に隠されたメッセージを訳そう

セリフのなかで「あえて口には出されていないけれど、強調によって暗示されていること」が、そのシーンにおいて最も重要なメッセージであるケースは多々あります。

皆さんも翻訳作業の突き合わせ(スクリプトと映像の確認)をしているときに、「この文章、なんだか不自然に強調されて聞こえるな」と感じたら、ぜひ今回の例文を思い出してみてください。どの単語が強調されているかをピンポイントで捉えることで、キャラクターの本当の意図が見えてくるはずです。

この記事のもとになった動画はvShareR SUBで公開中!

▼ 動画を視聴する(vShareR SUBの会員登録が必要です。月額800円・税別)
第4回 Emphasis 強調 / Sara’s One Point Lesson

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