●NHKの辞書(正式名:NHK漢字表記辞典/旧:新用字用語辞典)とは、映像翻訳業界でバイブルとされる2つの辞書のうちの1つです。もう一つはアサヒの辞書(正式名:朝日新聞の用語の手引)/通称:アサヒ です。字幕を作成する際には、これら2つの「用字用語」を基準にして、使ってよい漢字か? 使って良い表現か? 使う場合にはルビをふるべきか? などを判断していきます。
字幕を作成する時に、漢字の使用、ルビ、カタカナの扱い、等については基本ルールがあります。それを定めているのがアサヒの辞書(正式名:朝日新聞の用語の手引)とNHKの辞書(正式名:NHK漢字表記辞典)です。但し、この2つには多少の違いがあります。そのため字幕制作の際には依頼主(クライアント)に「御社はどちらの辞書を基準にしていますか」と確認する必要があります。
NHKの辞書では、放送において字幕が「見やすく」「わかりやすく」なるように、各単語に対して漢字やかなの使い方が書いてあります。「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名の付け方」なども書かれています。
アサヒの辞書では、記事を書く際の社内基準が辞書として再構成されています。多くの情報を、瞬時に、正確に、分かりやすく、伝えられるように、漢字の使用法などについても書かれています。
字幕制作においては、難しい漢字を使いすぎると視聴者は字幕が読めません。また簡単な漢字なのにルビがふってあったりすると視聴者は違和感を感じます。言い回しも聞きなれない言い方だと雰囲気が壊れます。翻訳者さんはこの2冊の辞書をバイブル的に使用しながら、視聴者にとってベストな字幕を作成していきます。