●ENGとは、日本の映像業界では「撮影クルー(テレビ撮影隊)」の事を言います。ロケに行く際に自分で撮影せずにプロのビデオカメラマンや、カメラマン+音声さん+照明さんなどを頼む際に使う言葉です。「今回の撮影では、ENGを頼もう」といった具合に、機材ごと技術者を頼むという意味になりです。ENGは(Electronic News Gathering)の略として日本で、古くから使われている用語ですが、アメリカやイギリスでENGと言っても通じません。映画の撮影やテレビ中継のための大人数の撮影隊を指すのではなく、2名〜5名位の撮影チームのことを指します。
ロケなどの撮影で活躍する撮影技術会社は、日本に多く存在しています。プロ用のカメラ、音声機器、照明機器、それを運ぶ車を所有しています。通常は、最低でも映像と音声は収録する必要がありますので、最低2人1組となります。少し規模が大きい撮影ではアシストしたり照明を手伝ったりするアシスト役の技術者も含めて3名で1組となります。撮影技術会社が「うちには3クルーいます」と言えば、通常、3台自動車(バン)を所有し、カメラや音声のセットも3セットある事を意味します。スタッフもカメラマンが3人、音声さんが3人は最低いることになります。プロデューサーや演出が「今回は機材付きの撮影隊を頼もうか」という言い方もできるわけですが、より簡単に「ENGを頼もうか」と言った方が簡単なわけです。また「撮影クルー」だと、何十人もいる映画の撮影チームも当てはまりますが「ENG」は小規模なビデオ撮影陣を意味します。ENGの費用は状況にもよりますが、シンプルな撮影でも、車込みで1日10万円を割ることは、ほぼない状況で30年以上続いてきました。半日撮影なので半額で良いか? というと、ENGは半日だからといって、他の仕事を残りの半日に入れるのが難しいため、通常1日いくら、という値段設定になります。
近年では、演出する人が自分でカメラを持って現場に行くことも多々あります。反対にゴルフ中継などを得意とする撮影会社は自社で中継車を持っていたり、かなり大規模で大人数のスタッフを抱えている場合もあります。カメラマンが何人も出動する場合にはENGを何チーム用意しようか?等という表現がされる場合もあります。