●デジベ/デジタルベータカムは、21世紀初頭まで、テレビの撮影用ビデオテープとして世界中で使われていました。短い尺のテープであれば小型のため、プロの撮影用カメラの中に入れることができました。当時それは画期的なことでした。長い尺のテープもありますが、それは大型テープとなるため編集用として使われていました。
1980年代初にベータカム(ベーカム)という小型のプロ用のビデオテープが開発されたことでテレビ撮影は一度に効率的になりました。テープをカメラの中に入れられるため、VE(ビデオエンジニア)がいなくても、カメラマン一人で外で撮影できるようになったのです。テープは改良を繰り返し、ベーカムSP、デジタルベータカム(デジベ)へと進化していきました。当時、世界中の家庭にVHSが広まりましたが、プロ用の収録テープとしてはベータカムが広まったのです。21世紀はじめまで、ベーカム・シリーズは世界中の撮影(特に外でのロケ)で使われていました。プロ用ビデオテープは複数ありましたが、撮影用としてはベータカム・シリーズが独占していました。その後、家庭のテレビがハイビジョンになっていくと、プロの撮影にはより小型のHDテープが使われたり、データでの収録が広まっていきました。今は撮影にテープは使わずに日常でもスマホで動画撮影する時代です。しかし長い間、世界中のテレビ局、取材陣、制作会社にとって日本のビデオカメラとベータカム・シリーズは使うのが当然とされるテープだったのです。