字幕翻訳者のためのお役立ち情報サイト「vShareR CLUB」。このサイトは字幕翻訳を動画で学べるウェブサイト「vShareR SUB」の姉妹サイトです。 vShareR SUBはこちら

スプライス(映画, フィルム, つなぎ目,汚れ)

●スプライスとは、映画のフィルムにおける「つなぎ目」または「つなぎ目の汚れ」の事を言います。映画の編集の場合1990年代まで基本的にフィルムのネガとネガを特殊なボンドでつなぎ合わせて編集していました。そのため年月が経つとつなぎ目が汚く見えてきます。それを「スプライス」と呼びます。「スプライスが汚いから、修復しないと」というような言い方をします。

現在、昔の映画をHD放送したりHD配信するために映画をフィルムの状態からテレシネをすることがあります。テレシネをする際には、通常、保管されていた昔のフィルムはまず洗浄します。その後、フィルムを特殊な機械で再生してHDや4K映像などへとエンコードしていきます。その際に、古いフィルムになると「スプライス」の汚れが見えます。シーンの変わり目(フィルムのつなぎめ)に、フィルムをボンドでくつけた汚れが見えるのです。映画がつくられたばかりの時には見えなかったわけですが、年数が経つとボンドでつけた部分が汚れとして見えてきます。1秒は24コマで出来ていますので、スプライスがあっても24分の1秒だけ(一瞬だけ見える)ということになります。しかし、それでもハッキリと分かってしまいます。シーンが変わる時に映像の下の部分にボンドのような汚れが見えます。今ではテレシネの際にはそれらをコンピュータに取り込んだ状態で、技術者が1つ1つキレイに消したり、開発された自動ソフトを使って効率的に消したりします。古いフィルムにはスプライス以外にも汚れがありますので、それらすべてをコンピューター上でキレイにし、必要があれば映像の色合いや明暗も調整します。そういった作業全てをまとめて「レストア」と呼びます。古い映像をキレイに再現する「レストア」の技術は世界的に日々進歩しています。
さて、今、制作されている映画の多くは撮影がフィルムであっても、デジタル化された状態で編集作業され完パケもデータとして保管しますので、年月が経っても、映像が劣化することはありません。しかし30年前位までに制作された映画は基本的にフィルムで編集されていますので、スプライスに対処する必要があるのです。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
  • Qシート(記録表), キューシート / (cue sheet , Q sheet)
  • 目次