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シネスコ(画面サイズ)

●シネスコ(シネマスコープ)とは、画面サイズの一つです。かなり横に長い画面サイズで、その比率は縦1に対して横が2.35です。20世紀フォックス社が1950年代に世界に向けてこのサイズで映画を多く公開しました。

この超ワイドな映画技術を発明したのは1920年代のフランスとされています。1950年代に20世紀フォックス社がシネスコ・サイズで映画を公開して大ヒットすると他のスタジオもこの技術で多くの映画を制作しました。特殊なレンズを使用して撮影しましたが、使ったフィルムは通常の35mmフィルムのままでした。特殊なレンズで縦に画像をつぶすような形で収録したのです。映画館で公開する時には、それを横長に引き伸ばして映写しました。しかし引き延ばすために、画質や明るさのクオリティが下がるという問題がついてまわりました。そこで35mmではなく、55mmのフィルムで撮影するという試みもなされましたが、55mmフィルムの上映を劇場に強いることは難しく、結局、問題は解決しませんでした。やがて70mmフィルムを使用することで、画質や明るさの問題はかなり解決されましたが、結果的に70mmフィルムの使用は大変に費用がかかることになり、完全な解決には至りませんでした。そんな技術的な奮闘が続く中でも1950年代、シネスコの映画は観客に大変に人気で、横長サイズの映像をつくる技術競争が盛んになりました。同じ1対2.35のサイズを米国パナビジョン社も開発しました。シネスコ映画として今でも有名な作品に『スター誕生』『王様と私』そしてディズニーの『わんわん物語』などがあります。1957年には『戦場に架ける橋』『めぐり逢い』など、80を超える映画がシネスコで公開されました。しかし、1960年代になるとシネスコの人気は急落し、1960年代中頃には、ほとんどシネスコの映画は作られなくなりました。現在、一般的にな画面サイズは、家庭にあるハイビジョンテレビの横16x縦9に近い「ビスタサイズ」です。特殊なレンズで湾曲させるシネスコの技術は今では使われていません。しかし、画面サイズとしては、シネマスコープ(1対2.35)は今でも残っています。超横長のサイズで映画が制作されたり、劇場公開されたりすることは今でもあります。現在の劇場はDCPによる上映になり、映像技術的にも向上しています。横長サイズでも映像に問題なく上映が出来るのです。

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