●「なめる」とは、撮影をする際に、意図的に手前に何かの被写体を置くことを言います。
撮影する際に、あえて端の方にボケた花や葉を入れることがあります。「ピンクの花をなめる」という場合には、ピンクの花はレンズのすぐ近くにおき、ピントはあっていない状態です。メインの被写体が立っている女性であれば、その女性にピントが合っているわkです。映像を見た視聴者はピントがあっている女性に注目するわけですが、画面の端には、偶然レンズにかかってしまったようなピンク色の何かが見えることになります。視聴者は、多分それは花であろう、と感じます。注目されるのは女性ですが、ピンク色のぼけたモノが端にあることで、女性は花畑かどこかにいるのであろう、と視聴者は感じれるわけです。また手前に花らしきボケたモノが存在すると、映像に奥行きも生まれてきます。レンズのすぐ近くにわざと何かを置いて、その向こうにいる主人公を撮影する。これは良く使われる手法です。日本ではこれを「なめる」と呼びます。カメラマンが「ちょっと、植木鉢をなめて、女優さんを撮影しようか」と言った場合には、手前に植木鉢を置いて、その向こう側に女優さんがいるアングルで撮影するという意味になります。植木鉢を実際にペロペロしてから、女優さんの撮影をはじめようか! という意味ではありません。