「字幕翻訳 受注から納品まで with SST」 #5
2026
1/09
[ご注意] ・この記事は自動文字起こしを元に作成しているため、一部に誤りや話者の特定ミスが含まれる可能性があります。 ・本動画シリーズは2023年6月~12月にかけて公開されたものです。ソフトウェアの仕様や業界の状況に関する情報が現在とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
【SST時短術】字幕翻訳の効率を上げる「スポッティング前のユーザー設定」をプロが解説
これまでの回で、映像翻訳の仕事における素材確認の重要性について解説してきました。いよいよ、字幕制作の中核作業である「スポッティング 」に入ります。スポッティングとは、映像に合わせて字幕の表示タイミング(イン点・アウト点)を決める、非常に繊細で重要な工程です。
このシリーズ「字幕翻訳 受注から納品まで with SST」の第5回では、本格的なスポッティング作業に入る前に必ず行っておくべきSST の「ユーザー設定 」について、3名のプロがその設定方法 と意味を詳しく解説します。文字数 や字幕ルール をSSTに事前設定しておくことで、ガイドライン違反を自動で検知し、ケアレスミスを防ぎ作業効率を格段に上げることができます。この記事を読めば、プロが実践する時短テクニック としてのSST設定のコツが分かり、よりスムーズで正確なスポッティング作業の第一歩を踏み出せるでしょう。
目次
今回のテーマ:スポッティング作業を効率化する「ユーザー設定」
みなさんこんにちは。本日も翻訳者の吉野さん、字幕ディレクターの梶尾さんにお越しいただいています。では素材の確認が終わりましたので、早速SSTの作業に入っていきたいと思います。
次の作業としては、スポッティングを取っていくというところがまず最初のステップかなと思うんですけれども。
スポッティングに関係のある設定というと、この「設定」から「ユーザー設定」を開くと、こんな感じで数値を設定できる画面が出てきます。
「ユーザー設定」で何ができるのか?
一番上は1秒あたりの文字数。次が1行あたりの文字数(横と縦)。あとハコ割りに関係するところはこのタイムコードの部分になるんですけれども、字幕表示時間(字幕自体が出ている時間)と、字幕と字幕の間を何フレにするのかというのをここで設定することができます。 これを設定したからといって絶対こうなるというわけではなくて、ここを設定するとこれをオーバーした時にエラーが出るので、「オーバーしてるよ」というのが目で見て分かるようになる部分なんですね。 唯一この「強制」というところだけは、これ以上字幕の間を小さくすることはできなくなります。ハコ割りした時も、今の設定だと11フレームのハコは作れないという感じになっています。
そうですね、ここを12にしてあるので11フレームのハコは作れなくなる。
ここの字幕間も2フレームに今なっているので、字幕間も1フレームにはできなくなるという状態の設定になります。こっちは「警告」なので、後で見せますけど、赤い線が出てきて「ダメだよ」っていうのが出るだけですね。
SSTのユーザー設定では、各種ルールに対して「警告」と「強制」の2段階で制限を設けられます。「警告」は、ルール違反の箇所にエラーが表示されるだけで作業は続行可能です。「強制」は、ルール違反となる操作(例:最短表示尺より短いハコを作る)自体ができなくなる、より強力な設定です。
最重要!「タイムコード」に関する設定(最短表示尺と字幕間)
なので、ここを設定するときはどこを見るかというと、仕様書で確認する必要があるんですが、これかな。「字幕の最短表示尺」。で、この作品は24フレームだったのでここに当たりますね、最短で12フレームと指示されているので、先ほどの強制のところが12フレームになっています。警告も同様に12フレームにしておけばいいと思います。
なんか違う設定したりします?警告と強制を変えたりするパターン。
でも12フレームって結構短いですね。私いつも15フレームくらいにしているので。
一般的なところでいくと、ここまで厳密に「最低いくつ」って、それこそ配信で指定があったから「半秒(0.5秒)」とか言ってるんですけど、そういう設定が出てきてからこれが結構「強制」っていうところを使うようになったのかなという気はするので。
仕様によっては付けといた方が、絶対にそれ以下のハコが作れなくなるのでいいのかなって感じです。
そうですね、間違いは防止できますよね。字幕間の「強制」は結構入れておいた方がいいかもしれないですね。やっぱりくっついちゃったりとかすることがあるので。
私も必ずここは仕様書通りに。今、この仕様書の字幕間のところは「2フレーム」ってなっているので、ここも2フレームにしておく。こうすると、最低尺と最低字幕間のミスがなくなるので、やっておいた方がいいと思います。
基本ルール「1秒4文字」はSSTでどう設定する?
じゃあ、一応この上の字幕のところも説明しておきますね。字幕翻訳の基本的なルールで「1秒4文字」ってありますけど。
この間もらった仕様書には書いてありました。「1秒4文字」って書いてあって。
そうなのかと思いながら。そう言われて仕様書をシャットアウトするのはきついですね。ただ一応、括弧書きで「目安です」みたいなのはもちろん書いてあったんですけど。
そうですね。4文字以外の仕様書って逆にないですもんね。
5文字の仕様書ってあったらいいけど、あるのかなってくらいですけど。
変えるとしたら英語字幕作るときとかぐらいですかね。日本語では基本的に4文字以外の仕事は受けたことがないので、基本ここは「4」でいいかなと思います。
文字数制限(横字幕・縦字幕)の設定方法
あとこれですね、1行の横の文字数「13」文字。これも仕様書に合わせて「13文字×2行」と書いてあるので、ここは13文字。「半角を0.5でカウントする」「スペースをカウントしない」のチェックを外す。
こういう細かい設定って昔はなかったですよね?半角を0.5でカウントするとか。
昔は半角も1文字でカウントされてたってことですか?
次が縦の方ですね。縦は11文字×2行なので、ここを11文字にしてあります。
縦字幕の方もチェックだと、「組文字は1文字としてカウントする」とか。
「組文字」とは、「!?」や「!!」のように2つの記号を1文字幅で表示するものです。SSTの文字数カウントでは、これを2文字と数えるか1文字と数えるか設定できます。ガイドラインで特に指定がない限りは、1文字としてカウントするのが一般的です。
アップデートされると結構追加されてたりとかするので、アップデートかけた時は、多分カンバスさんの方から「どこが変わりましたよ」っていうのが出てくるので、そういうのを見ておくと便利な機能があると思います。
知っていると便利!SSTの画面表示カスタマイズ術
他にも色々タブがあるんですけど、使うのはそこぐらいかな。あとたまに、この「再生」タブの一番上、「MPEG-1とWMVの映像ファイルにはDirectShowを使う」っていうのをチェック入れてくださいとか外してくださいとか指示されることがたまにあるんですけど、これ分かる人います?
一回調べたことはありましたけど、結局そのあたりもチェックを入れない形が基本的にはデフォルトなので、それで問題はないというところです。ただ、ズレちゃうとかってなった時には、ちょっとここをいじってみるっていうのは一つの手かなという感じです。理解をしてここをいじるというよりかは、いつも通りやってるんだけどズレちゃうから、もしかしたらここをいじったら直るのかな、ぐらいのレベルでいいんじゃないかなと。
あと一個言うとしたら、「画面表示」タブの、今SSTの画面に映っているこの赤い線。これが一番上の「セーフティエリアを表示する」っていうところなんですよね。いわゆる、簡単に言うとDVDとかだとセーフティ85%の中に入っていてくださいとか、Blu-rayだと90%、放送とかも90%に入れておいてくださいという指示があったりするので、それからはみ出してないかとか、文字位置がちゃんと正しい位置にあるかっていうのを確認するためのガイドラインが出ているだけなので、翻訳者さんの場合だと設定する必要はないのかなと思います。
私も必ず出してありますね、目安として。これを外すと消える。ないと「あれ、なんか違うのかな」って思っちゃいますよね。
前に言われたのが、字幕ウィンドウと台本ウィンドウのフォントサイズ、変えられますよ。
小さくするとたくさんの行がいっぺんに見える、みたいな。
確かにパソコンの画面の大きさによっても変わってきちゃうから、たまに小さいパソコンで作業するときはもうちょっと大きくとか必要ですもんね。自分のやりやすいように細かくカスタマイズできたりするので、ちょっと調べて好みの形を探してみるのもいいかもしれないですね。
あと「メンテナンス」ですね。これ保存する場所が管理されてるんですけど、バックアップファイル。デフォルトの容量に不安がある人とかは変えてもいいかな。バックアップファイル取っておく場所を変えておきたいとか。
そうですね、好みの場所に。バックアップ間隔とかもここでできるんですね、知らなかった。
まとめ:最適な事前設定で、ミスなく効率的な作業を
今回は、本格的なスポッティング作業に入る前の「SSTユーザー設定」について、その重要性と具体的な設定方法を解説しました。ルールをSSTに覚えさせる: 文字数、最短表示尺、字幕間といったガイドラインの数値を事前にSSTの「ユーザー設定」に入力しておくことで、ルール違反を自動で検知できるようになり、人的ミスを大幅に減らせます。「警告」と「強制」を使い分ける: 最短表示尺や字幕間など、絶対に守らなければならないルールには「強制」を、1秒4文字のような目安のルールには「警告」を設定するなど、重要度に応じて使い分けるのがポイントです。文字数設定の詳細: 横字幕・縦字幕の文字数に加え、半角の扱い(0.5文字でカウント)やスペースの有無なども細かく設定できます。仕様書をよく読んで正確に入力しましょう。作業環境のカスタマイズ: SSTは、字幕や台本ウィンドウのフォントサイズ、画面の色、バックアップの間隔など、個人の好みに合わせて細かくカスタマイズ可能です。自分にとって最も作業しやすい環境を整えることで、長時間の作業でも快適さを保つことができます。 スポッティングは集中力と正確性が求められる作業です。だからこそ、作業を始める前の「段取り」としてこれらの設定をしっかり行い、SSTの補助機能を最大限に活用することが、プロの仕事の質とスピードにつながります。
次回はいよいよ、SSTを使った字幕翻訳作業の核心、「ハコ割りとスポッティング作業 」に入ります。プロがどのようにイン点・アウト点を決めていくのか、具体的な操作を交えて詳しく見ていきましょう。
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