vShareR CLUBの編集スタッフが、2025年9月に刊行された書籍のなかから「翻訳という営みを刺激しそうな本」をピックアップして紹介します。

枯れてこそ美しく
戸田奈津子、村瀬実恵子 著
集英社
価格:726円(税込)
ISBN:978-4087448184
人生100年時代!
いつまでも 美しく咲き誇る――
何歳になっても、ファッションは仕事のモチベーション! 知的好奇心は、元気の源!
89歳の女性字幕翻訳者の第一人者と100歳の元メトロポリタン美術館特別顧問が、おしゃれやキャリア、人間関係から日々の楽しみ、終活など、人生について語る。長年、文化の架け橋として活躍してきたふたりから紡ぎ出される、心に響く金言の数々。いつまでも美しく咲き誇る生きるヒントが詰まった対談集。人生100年時代、必読の一冊!
(出版社ホームページより)

ふらんす 2025年10月号
白水社
価格:800円(税込)
[特集]翻訳で世界をひらく
プルースト曰く「美しい書物はみな一種の外国語で書かれている」。
翻訳とは、「ある言語で表現された文章を他の言語にうつすこと」ですが、機械翻訳ではけっしてできない何か、あるいは、機械翻訳に任せてしまってはあまりにもったいない何かがあります。
日仏翻訳に深く関わる方々とともに、翻訳の魅力・魔力について考えてみましょう。
澤田直/坂井セシル/郷原佳以/野崎歓/河野万里子/堀江敏幸
(出版社ホームページより)

仲介する日本
ロシアから中国への文化横断とリレー翻訳
シャオルー・マー 著/秋草俊一郎、今井亮一、高橋知之 訳
文学通信
価格:3,960円(税込)
ISBN:978-4867660966
近代におけるロシア・日本・中国の文化的リレーを読み解く、世界文学研究の最前線!
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、中国の文人たちは日本を仲介者としてロシア文学・文化を翻訳・受容し、それぞれの「モダニティ(近代)」を築いていったが、それはどのように行われていたのか。初めて包括的に解き明かす。
ロシアの恋愛小説、ニヒリズムやヒューマニズムといった思想は、日本語訳を経て中国に伝わる過程で、翻訳者はどのような課題や選択に直面したか。ロシア・日本・中国の文学的・文化的概念の変容を丹念に追う。
3言語(ロシア語・日本語・中国語)の一次資料を駆使し、日中露の文学と文化の三角関係を立体的に描き出すことで、従来の「発信―受容」の二項対立を超えた、新たな文化横断のダイナミズムが提示される。
(出版社ホームページより)

英文契約書
実務に役立つ翻訳の技術と書き起こしのコツ
飯泉恵美子、佐藤涼子 著
イカロス出版
価格:3,520円(税込)
ISBN:978-4802216593
英文契約書を正しく翻訳したい人
英文契約書の翻訳を学びたい人
英語で契約案を書き起こす人、必携!
契約書の英日・日英翻訳のテクニックと、英文契約書の書き起こし(ドラフティング)や対案作成に必要な知識をギュっとまとめて1冊に!
(出版社ホームページより)

ラテン語とギリシア語
風間喜代三 著
筑摩書房
価格:1,320円(税込)
ISBN:978-4480513182
ヨーロッパ文明の礎であるラテン語とギリシア語。印欧語族の古層に属する両言語は、近代語が失った複雑な規則を持つことから、現代人が習得するのは容易ではない。本書は文字、発音から形態に至るまで、二つの言語を対比させながらその全体像を描き出す。名詞や形容詞の格変化、動詞の細かな時制と態(ギリシア語特有の「アオリスト」や「中動態」)、その動詞がさらに変化した分詞──。様々な特徴を古典の例文とともに見ることで、複雑さに支えられた豊かな表現を持つ、ラテン語とギリシア語の輪郭が浮き彫りになる。古典語のエッセンスを凝縮したコンパクトにして本格的な案内書。
(出版社ホームページより)