vShareR CLUBの編集スタッフが、2025年6月に刊行された書籍のなかから「翻訳という営みを刺激しそうな本」をピックアップして紹介します。

役割語とキャラクター
ポピュラーカルチャーをより深く理解するために
金水敏 編著
研究社
価格:2,860円(税込)
ISBN:978-4327384937
さまざまなフィクション作品を主に役割語によって、言語学的に読み解いていく。
フィクションには、特定の人物像と結びついた言葉づかいである「役割語」(〈老人語〉の「わし」など)を使用する登場人物が多く現れる。また、役割語に収まらない個別的なキャラクター言語というべきものを用いるキャラクター(「ツンデレ」キャラなど)も存在する。マンガ・アニメ、映画、小説、ビデオゲームなどから実例を挙げ、さまざまなキャラクターの話し方の分析を通して、役割語とキャラクターがどのようにフィクションの構造と関わるかを検証する。また、村上春樹作品における役割語と翻訳の関係にも注目する。そのほか、日本語の文字・表記のキャラクター表現への寄与についても明らかにする。役割語研究の新たな展開を示す本書は、言語学に関心が高い方だけでなく、ポピュラーカルチャーをより深く読み込み、楽しみたい方にもお薦めの一冊である。
(出版社ホームページより)

ある翻訳家の取り憑かれた日常2
村井理子 著
大和書房
価格:2,090円(税込)
ISBN:978-4479394518
大人気の日記、2冊目。書下し短編小説「メモリアル三姉妹」所収。翻訳・執筆、愛犬の看取りや義父母の介護に奔走する日々を綴る。
(出版社ホームページより)